2010年01月28日

LE KLINT(レ・クリント)の灯り

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我が家の西隣に位置する家が、昨年の秋、売りに出されていた。

「わ~、これお隣さんだ」

ポストに入ったチラシを眺めながらそう思っていたら、あっという間に売れたようで、12月始めごろからリフォーム会社や大工さん風の人々が出入りをし、つい10日ほど前に拍手が聞こえたと思ったら、それはそのリフォームが完成して、関係者全員で酌み交わす酒(いや、ソフトドリンクかな?)の掛け声のようだった。

と思っていたら、新しい家主が越してきたようで、夜でも灯りがともっているのを見かけるようになり、「寂しかったボクの庭にバラが咲いた」ような気分になった。

さて、ここでその西隣の家と我が家の様子を書けないのは残念だが、私たちは単に構造上の関係で、挨拶を出来る状態ではない。よっぽど偶然に目を合わす機会があるとか、声をかけるとかでない限り、互いにそこには「結界」があるかのように振舞うのが大人の関係で、そうせざるを得ないような建ち方をしている。

でも、私はどうしてもその西隣の家が気になるのだ。

それは、お隣さんが引っ越してくる前日かその日の夜に、偶然目にしたその家の灯りにある。

夕方薄暗くなってから、ガラス越しに見えた隣人宅の照明は、デンマーク生まれの、LE KLINT(レ・クリント)のものだった。

それを目にするや、私の好奇心は一気にヒートアップし、「どんな内装になっているのだろう?あの灯りに似合うインテリアはカーペット敷きなので、床全部がイメージ的にはアイボリーのカーペットだな」などと、ひとりでブツブツつぶやいた。

床が全てカーペット敷きになっている家に対する憧れは、社会人になった頃、学生時代に仲良くしていた先輩の親戚の家(!!)へ遊びに行かせて頂いた時に始まる。

吉祥寺にあったその高級マンションはメゾネットになっていて、玄関を上がると全ての床がカーペットで覆われていた。

経験者ならわかると思うが、あのカーペットというやつ、全く持って掃除が大変である。埃は見えにくいし、何かこぼすとシミになり、お手伝いさんが家にいるような家庭か、余程綺麗好きな人でないと、とてもじゃないが扱い切れないと思う。

ところがその扱いにくさと反して、足に優しいホクホク感は、フローリング床では味わえない快適さがある。

そんな訳で、先輩の親戚宅は私にとって、いまだ「夢の城」であり、ずっと憧れ続けている家でもあるのだ。

で。

その西隣の家が、どうもそのような内装にしているような気がしてならなく、もう覗いてみたくてウズウズする。

夕方になると、ボワッと浮かび上がるLE KLINT(レ・クリント)の美しいフォルムをチラリチラリと偶然のふりして眺めつつ、いつか挨拶が出来る幸運はないかと、てぐすね引いて待っている次第だ。

あぁ、私ってどうしてこんなに「家」へ興味がわくのかしらん。


■LE KLINT(レ・クリント)
http://www.leklint.dk/pre/frontsite.aspx


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