2010年01月21日

朝5時、瓦屋根の上で。



実家の母と電話で話す時、私は必ず「花ちゃん、どぅしてんの?」と、聞く。

すると、たいがいが「目の前の椅子に座っている」か、「石油ファンヒーターの上に座っている」か、「キャビネットの上に座っている」かのどれかで、「懸命に働いている」なんてことは絶対にない。

「全く、いつもいつも座ってばかりで、働かんやつやな~」

これ、自分のことを言っているのではない。花さまのことを言っているのだ。

それで、私は、その目の前に座っているらしい花さまに向かって、「は~なちゃん、は~なちゃん」と呼びかける。

すると、その声を聞きつけた花は、電話のにおいを嗅ぎ始めるらしく、それを想像すると笑える。

そうよねぇ。

まさか私が何百キロも離れた場所にいるなんて想像も出来ないだろうから、「電話の中に、入っているのかニャ?」と、思うのは当たり前だろう。

ひとしきり「は~なちゃん」とやった後、電話を切ると妙に寂しくなって、大阪へ戻りたくなる。まったく、猫1匹の存在が何と言う吸引力を持っているのだろうかと思いつつ、そういう時はストックしてある写真を眺めて、一息つく。

すると、屋根の上を嬉しそうにソロリソロリと歩く花を撮影した写真にいきついた。

これは、私が結婚する年の夏、帰省した兄夫婦と両親と5人で伊勢神宮へ行く、朝5時ごろに撮影したものだ。猛暑の中、伊勢くんだりまで行って、またそこで散々歩いた、「これは苦行か?」という旅だったが、行っておいて本当に良かった。

きっと、この写真と共に何年経っても、朝独特の澄んだ空気の中、嬉しそうにしっぽを伸ばして歩く花を撮影した自分と、あの日の気持ちを思い出すんだろうな。

あ、間違えた。

思い出すんだろうニャ。


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